RimWorld 王冠の街 百日記 1
未開の惑星でフロンティアスピリッツを存分に堪能できるゲームRimWorld。Greenlitされているが、Steamでの取り扱いはまだ。それでも今すぐにプレイしたいのであれば公式サイトから30$で購入されたし(まだお勧めできる段階ではないが)。
カサンドラ:私の物語へようこそ。
イマーゴ:ちっす。本作にはゲーム内で発生する数々のイベントを制御するスクリプトがあり、それぞれを擬人化することでゲームモードわけがされている。
カサンドラ:その通り。私の物語はごく基本的な…いわゆるノーマルモードね。
イマーゴ:お、おう…
カサンドラ:まずは最初の入植者を決めて。
イマーゴ:じゃあこいつ。
カサンドラ:面白い経歴ね。良いところ出で幼いころは軍事プログラムも受けているわ。でも彼は森でハーブを育てる生活に行き着いた。
イマーゴ:猫好きってのがいいね。
カサンドラ:彼が鼠とリスと牛好きでもあることを願うわ。
イマーゴ:うわぁ…
カサンドラ:お次は?
イマーゴ:この子。
カサンドラ:ふぅん、プリンセスという愛称の彼女は、穴掘り生活から名のあるシェフへと成功を収めているわ。ただし厨房での振る舞いもプリンセス級だったようね。
イマーゴ:元ASKAですか。
カサンドラ:穴掘り時代に覚えたのかしら? 最初の彼とは気が合いそうね。
イマーゴ:…
カサンドラ:最後は?
イマーゴ:じゃあ。
カサンドラ:あなた…! 彼は人を使う術に長けているわ。領主という血によるものね。それを幼少期の昏睡事件が強化した。
イマーゴ:なんかステがエライ事になってるような…
カサンドラ:間違いなくこの物語の台風の目になるわ。
イマーゴ:ほほう。
カサンドラ:では、私は本来の役目であるゲームの進行に戻らせていただくわ。
イマーゴ:あいよ。ここからは最初の彼"ラバー"の日記という形式で進めて行く。まだエンディングもない状態なので、100日間をプレイの目処とする。その間にひとつでも盛り上がり所があればいいね!
ラバーの日記:入植初日
目前に広がる荒野に俺たち三人はしばらくの間呆然としていた。
最初に我に返ったのはAJで、彼は怒りの声を上げた。プリンセスはただ遠い目をしている。俺はいくらか冷静にそれらを観察していた。
皆が落ち着きを取り戻したのは、それぞれが残骸から銃を手にした時だった。
「皆が協力しなければ生きてはいけないだろう」
AJの言葉に俺もプリンセスも異論はなかった。ただし拠点をどこに定めるかは少し揉めた。
安定した電力を確保したい俺は間欠泉の付近を主張したが、防衛力を求めるAJは山沿いを主張し、押し切られる形で決まった。
結果的にAJの判断は正しかったのだろう。この南方の土地は鉄資源も豊富で、作物を育てる環境としても優れていた。
畑を耕す俺の隣で、プリンセスは黙々と建築作業に没頭している。AJは口うるさく指示を飛ばすだけだ。
「まるでキングね」
ポツリと彼女が呟いた。
カサンドラ:初日から何やらきな臭いわね。
イマーゴ:これはもう仕方ないね。(表を提示)
カサンドラ:…AJは研究台や通信機ができてからが本領発揮かしら。
イマーゴ:ぶっちゃけどっちも死にスキルだけどね。
カサンドラ:働き者に見えるプリちゃんも結構な偏り具合よ。
イマーゴ:運搬できるの1人だけってどうよ…
カサンドラ:それにしても堂に入った自宅警備ぶりね。
イマーゴ:この状況下ですら何もしないって逆にすごいわ。誇り高き自宅警備員、いや、なんちゃってひとり保安官か。
カサンドラ:でも襲撃があったら私が真っ先に知らせるわ。
イマーゴ:パトロールの意味はないよな、このゲーム…
ラバーの日記:入植5日目
ようやく1つの部屋(もちろんAJのだ)と研究台が完成した。彼のことだ、鼻歌交じりに自室へ入り、悠々と研究生活に浸るのだろう。
「これで作業に集中できるわね」
プリンセスは言った。そう、俺と彼女にしても視界から彼の姿が消えることは望ましいことだった。
ほっとしたのもつかの間、警報がこちらに迫る危険を知らせる。
俺はこの時、病気で全滅した畑の回復に追われていたし、プリンセスは採掘で離れていた。
「ああ、俺が仕留めるさ。たかがリス1匹で騒々しい!」
研究の出ばなを挫かれたAJは明らかにイラついていた。
ラバーの日記:入植7日目
「どうやら、このろくでもない土地を骨を埋めるにいい程度にはしなくちゃならないようだ」
AJが重々しく口を開いた。
「この地に名前を付けるべきだろう」
俺はプリンセスに視線を送った。
「ティアラ(王冠)タウン…なんてどうかしら?」
彼女は皮肉混じりに言った。
村名が決まったその日、それぞれの部屋がひとまずの完成を迎えた。それから間もなく皆既日食が始まり、あたりは闇に包まれた。苺を齧りながら空を見上げていたプリンセスは、一筋の稲妻が村の北部に突き刺さるのを目撃したそうだ。
ああ、俺はその時寝ていたのさ!
ラバーの日記:入植9日目
船の残骸から回収した食料はとっくの昔に尽きていて、野菜や果物を生のまま食うことにもうんざりしていた。
「料理がしたい」というプリンセスの願いを阻む者はいなかった。突如現れた1人の女を除いては。
このエリセンというババアは図々しくも寝床をねだってきたのだ!
ラバーの日記:入植10日目
エリセンを追い出すべきだという意見はAJによって却下された。彼女が所属するハムレット・アット・ザ・メサとの関係を悪化させたくないとの1点張りだった。
「ハムレット型の思考だな」
俺の皮肉にムッとしたAJだったが、タダ飯食いは新たなタダ飯食いを呼んだ。
ラバーの日記:入植11日目
この付近で脱出ポットが墜落したとの通知が入ったのは、村におけるエンゲル係数が無駄に高まったその日の深夜のこと。
通知にいち早く気付いたプリンセスは、誰にも告げずひっそりとその負傷者を捕獲した。AJは激怒したが、うまくいけば貴重な労働力となるだろう。
カサンドラ:ではイソドラさんの紹介をば。
イマーゴ:まだ村民になってはいないけど、どうぞ。
カサンドラ:彼女もプリちゃん同様その人生のスタートは穴掘り生活のようね。そこから宇宙船の警備員を務めるようになって、ある時…
イマーゴ:堕ちてきた、と。それにしても醜悪で二重人格て。濃いキャラだにゃあ。
ラバーの日記:入植13日目
プリンセスが担いできた負傷者が目を覚ましたのは、墜落2日後のことだった。
彼女―イソドラはどういった人物なのか? 見極めたがる俺たちを警報が遮った。
「VIPのお出ましだ。歓迎してやれ!」
初の戦闘で固くなる俺とプリンセスにAJはジョークを飛ばした。
侵入者は単独の原住民だったため俺たちはあっさりと返り討ちにできた。AJはまだ息のあるそれを捕虜にした。
結局の処、彼の激怒の真意はプリンセスの独断が許せなかった事に尽きる。
ともかく、仮の留置所となったバッテリー庫は人を二人も閉じ込めるには窮屈すぎた。
ラバーの日記:入植14日目
原住民を留置所にぶち込んで最初の朝、AJの説得によりイソドラが入村を決めた。おそらくは原始的な相部屋生活にぞっとしたんだろう。AJの目に映った感激の涙は、俺たちには安堵の涙に見えた。
何にせよ彼女にかける言葉は一つだ。
「ようこそ、ティアラタウンへ!」
スクショが一部日本語になっているが、これは有志による日本語化によるもの。
・【Spec-R】RimWorld アルファ4f ローカライズデータ
http://cgi.members.interq.or.jp/world/fol/diarypro/spec.cgi?no=354
これね。ムシャクシャしている時に日本語化してくれている方がいることに気付いて、つい購入してしまったわけだ。