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RimWorld

Alpha 4

 

 先行してプレイ日記を上げている(そして、さっそく停滞させている)が、一応どういったゲームか説明をすると、見た目Prison ArchitectなSF版Dwarf Fortressである。

 現時点ではAlpha 5(この感想ではAlpha 4を対象としている)がリリースされている。正式版の完成にはまだまだ長い道のりとなりそうだ。

 

 

 本作は難易度分けを擬人化させAIストーリーテラーとしている点が特徴だ。しかしながら一旦ゲームが始まるとAIストーリーテラーは奥へと引っ込んでしまう。これに関してはメッセージ等でちょくちょく顔を出して欲しいところだ。

 また、人物ひとりひとりに個性を持たせた作りはこのゲームにおいて特筆すべき点だと感じた。

 こういったサンドボックスタイルのゲームには2種類の「個性」がある。ひとつは「村」だ。これは「どういった村を作るか」というプレイヤーの個性を指す。もうひとつは「環境」だ。これはゲームとしての個性であり、プレイヤーの村づくりの障害や恩恵として影響を及ぼすものだ。では村人はというと、単にプレイヤーの手足でしかなく、そこに個性を求めることはなかった。

 これはRTSの影響だろうか。常に多人数を動かすゲームにおいて、無個性はスムーズな操作に適している。RTSの人物には個性の代わりに「職業」が与えられていた点も、こういったゲームと共通する点だ。

 RimWorldではゲーム開始時の人数は3人となっている。集団ではあるが多人数というほどではなく、個々に目を配ることは容易い。絶妙なバランスと言える。またこの3人は開始前にこちらで選択することができる。こういったシステムを組み込んだことも何気に斬新だ。

 そしてこの村人の個性を引き立たせるシステムだが、ゲームにおいてどういった効果をもたらすのか。それはプレイ中ふいに顔を表した。

 

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 彼女の存在がプレイ日記を始める切っ掛けになった。

 

 ここにTapiaという女性がいる。

 彼女は最初の3人のひとりだが、射撃スキルがないため撃ち合いがメインの戦闘においては参加できずにいた。後に戦闘中のタレット修理係として前線で危険な作業を担当することになる。だが、戦闘が終わるといつも「心が疲れた」と精神に変調をきたした。RimWorldには恐怖度というステータスがあり、暗闇や人が死ぬ現場を目撃するといったことで数値が上がっていく。これはどの人物でもそうなのだが、Tapiaは極端に精神がもろかった。

 この時、ただのいち村人といった認識しかなかったTapiaが、まるで博愛主義者のような繊細さを見せたことに興味を惹かれた。まるで生きているみたいだ、などと大袈裟なことは思わなかったが、彼女の振る舞いにストーリー性を感じた。ゲームを続けていく内に、いつの間にか自分の中で彼女を中心としたストーリーが出来上がっていった。

 

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 自分が救ったJessyという女性を村に勧誘するTapia。よくある流れだが彼女が絡むと物語性を帯びてくる。

 

 こういったサンドボックススタイルのゲームにおいて、村を作り上げていく過程というのは、単純にプレイヤーの腕の見せ所でしかなかった。しかし登場人物を個性的にすることでRimWorldはそこにストーリーを浮き上がらせた。

 このストーリーとは「世界を救う」などといった大きな物語ではないし、誰かと共有できる定まったシナリオでもない。単なるアクシデントやハプニングの連続であるが、プレイするたびに変化するオリジナルなストーリーだ。

 そして、こういったストーリー性のあるゲームこそ自分の好物であり、RimWorldは優れたストーリー性を持つゲームだ。と諸手を挙げて褒めたいところだが、現状では他のサンドボックススタイルのゲームと大きな違いはなく、大半の人はプレイしてもそういったストーリー性を感じることはないだろう。今後の開発でキャラクターシートがしっかりとゲームに反映されれば、自分の言ったことがホラ話ではなくなるかと思われる。

 また、そういった方面だけでなく、サンドボックスとしてのコンテンツの充実にも期待したい。

 

 有志による日本語化プロジェクトが公式に組み込まれたそうで、いっそう期待が高まる。

 

*追記

 攻略指南的なことも書いておく。

 

 RimWorldにおけるサバイバルの要素は3つ。食料、戦闘、メンタル管理。

 食料に関しては、定期的に病気で作物が全滅する畑のみに頼るよりも、自生している植物が豊富な土地の近くに拠点を置くだけでも安定する。それってどうなの? と思わんでもないが、その土地に適応した在来種の方がたくましいって理屈だと思うことにしよう。

 

 戦闘は物量。敵は襲撃を繰り返すうちに人数を増やしていくが、村人は思うように増えていかないので、タレットを有効に活用しよう。タレットは破壊された際に爆発するので、密集させると誘爆で悲惨なことになる。あと、グレネードは対タレット用の武器と考えていい。これを持った海賊は近付かれる前に倒しておきたい。

 村への侵入口がひとつでもあれば、敵は遠回りしてでもそこから来るので、誘導は非常に楽。戦力の分散を避けるうえでも必須のテクニック。遠回りさせれば襲撃に対して余裕を持って対処できるようにもなる。ただし村を拡張したり、墜落したポッドを拾いに行く際は手間となる。これに関連して耐久力の高い岩壁の研究もしておきたい。

 ムカデ兵器はとにかく攻撃が痛いので、タレット任せにしたい。

 試作だが、下図のような戦闘をタレットに任せて人間は修理に徹するという方法も有効。これでも流れ弾が当たるときは当たる。

 

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 足止めとしてデブリを敷き詰めているが、敵の遮蔽効果が上がってしまうようだ。

 

 何度も指示を出してるのにタレットを修理してくれない…と思ったら村のゾーン指定していなかった、といううっかりミスはRimWorldあるあるのひとつ。

 

  で、おそらくこのゲームの一番の難関はメンタルの管理だろう。というのも、どういった状況が村人の精神を削るのかという部分が見えにくいのが問題。原因が分からなければ対処の仕様がないので深刻な部分だ。これはもう単純にUIが悪いと割り切ってWikiを参照でいいんじゃなかろうか。自分はそうした。

 

 プレイ日記の方でリサーチとソーシャルスキルは死にスキルと言った事に関して。

 リサーチスキルは研究時間が短縮できるのはいいが、現状、研究材料はそれほどなく、全て研究し終えれば2度とスキルが活用される機会はないので。Alpha 5では研究材料が追加されている。

 ソーシャルスキルは売買で有利に働くから言うほど死にスキルではない。ただ外交部分においては、現状、未完成過ぎてさほど恩恵がないという点が残念。友好度をMAXまで上げても特にいいことはない。