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DOOM

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 昨年12月に誕生20周年というアニバーサリーを迎えたDOOMは、撃つ・避ける、そして過激な暴力とFPSというジャンルを強烈に印象付けた作品だ。さすがにレトロゲーと言っていい作品ではあるが、いまだにWAD(いわゆるMOD)が作られ続けている息の長い作品でもある。プレイ中もいろいろと良い意味で時代を感じさせてくれた。

 DOOM 3: BFG Editionは3の完全版としてだけでなく、1、2をプレイするうえでも貴重な作品だ。今回プレイしたのは初代DOOMだ。残念ながら3のレビューではない。

 

 その中でゴア表現だけはここ20年あまり変化はないなという風に映った。グラフィックやエフェクトの向上はあったが、その扱いは一貫して破壊衝動を満たす装置に留まっている。つまり壁をハンマーでぶっ叩いたら粉塵とともに破片が飛び散る、それの人体の置き換えこそRigs(肉片)であり、要は肉と赤インクの詰まった動くオブジェクトに他ならない。ゴア表現に強烈な死のイメージはなく、ただ衝動の結果が美化(醜化?)され提示されるだけに過ぎない。

 何が言いたいかというと、だからこそ安心して遊べるので助かっている、ということだ。

 

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  見事な肉塊っぷりである

 

 時代を感じさせるといえば、イースターエッグの存在だ。いわゆる隠し部屋やアイテムのことだが、ゲームに限らずイースターエッグのような遊びは過去のものになっているようだ。

  DOOMがシューターとして爽快なゲームなだけではなく、探索ゲームとしての面白さを兼ね備えているのは探索の興味を誘う優れたレベルデザインによるものだ。最初のステージからしてまず目に飛び込んでくるのは大きな窓であり、窓の外の中庭にあるアイテムだ。どうやったらあれが取れるのか。あれを無視しても進行として支障はないが、素通りするには気になりすぎる絶妙な配置だ。

 こういった類のレベルデザインは2Dゲームからの伝統だろう。ゼルダの伝説はまさにこの手の興味を引かせることでグイグイとプレイ意欲をかき立てた。

 とはいえ以後のFPSはリプレイ性を重視したり、レールシューターのようなテンポを重視した一本道のものが増え、種が分かるとお終いな卵探しは、テンポも悪くなるし、とそういった相性の悪さから次第に消えていったのかもしれない。

 

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 別にいらんがあるとついつい取りたくなる…

 

 それにしてもBGMがMIDIである(多分)。Windows Vista以降MIDIマッパーが廃止されたせいで糞しょぼいGS音源での再生はちょっとした拷問のようではあるが、個人的には一番時代を感じさせるものとなっている。

 音はともかくDOOMのBGMは、攻撃的でありながらどこか能天気なギターリフがメインの懐かしのスラッシュメタル風味で大変よろしい。