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FarSky

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 FarSkyの舞台は海底である。不慮の事故により大破した潜水艇を修理し、海の底より脱出することが目的となっている。そのためダイビング的な要素も強く、美しくも恐ろしげな海底世界が堪能できる。

 が、十時間程度で一通り遊び尽くせるため、深海を扱った作品ながら底は浅い。いろんな意味で。良くも悪くもシンプルなゲームなので、プレイ後「これは早期アクセスだったっけな?」と思ってしまった。

 

 

 本作のスタート地点は水深100メートル付近だ。素潜りの最高記録が確かこのあたりだったと思って調べたら、「2007年6月現在のノー・リミッツでの最高記録はHerbert Nitsch ハーバート・ニッチ(オーストリア)の-214mである。(フリーダイビング - Wikipedia)」とあった。まあ、なんにしても普通の人間では耐えられない深度であり、そのためプレイヤーキャラであるNathanは常に潜水服を着ているわけだ。

 これによりFarSkyでは酸素量と水圧という他のサバイバルゲームではお目にかかれないパラメーターが存在している。ボンベは強化することで蓄えられる酸素量が増えるし、潜水ヘルメットは強化しないで潜り続けると水圧による破損を起こす。つまり潜水服の強化が広く散らばった潜水艇の破片を集めるための探索範囲を段階的に広げる鍵となっているわけだ。

 

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 破片は光りまくってて遠くからでも見つけやすい親切設計となっている。

 

 拠点となる海底施設は安定した酸素の供給元であり、クラフトスペースでもあり、食料である野菜を栽培する海底プラントでもある。かなり簡単に拡張ができるうえ、海底の住居として構造や内装にこだわることも可能だ。拠点の充実は海底ライフには欠かせない楽しみのひとつと言える。

 

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 拠点作りはかなり楽しい。

 

 もうひとつの楽しみといえば、豊富な海洋生物たちに彩られた海底世界だ。特に1階層(水深100~150メートルあたり)はイルカやエイやニシキヤッコといったダイビングで人気のありそうな生き物が多い(いかにも水族館的ではあるが)。3階層(水深250~350メートルあたり)まで来ると太陽光の届かない本格的な深海となる。とはいえ発光する植物やウミウシのような生き物らによって完全に現実離れした幻想的な世界が広がっている…。

 

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 この下が第3階層だ…。

 

 FarSkyの功績は、なんといってもダイビングとサバイバルという遠い存在を結びつけたことに尽きる。過酷さを売りとするサバイバルゲームの中において、その居心地の良さは随一だ。難易度の低さもそれに貢献している。

 しかし、それは反面でサバイバルゲームとしての手応えのなさを意味する。食料確保の容易さは大きく難易度を下げている。建築やクラフトの物足りなさは採掘のモチベーションを下げているが、そもそも採掘がオート化できるので面倒ではない。海洋生物はただ泳いでいるだけで何かしらの生態系があるわけでもなく、敵対的な生物との戦闘はかなり単調だ。

 本作は15ドルのゲームとして、それ以上でもそれ以下でもないという印象だ。セールで買えばお得感は増すだろう。