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パズドラもキャンクラもマッチ3としては退化したゲームだ

 以前に増田に書いた記事のサルベージ。それに伴い加筆修正がしてある。

 好きなジャンルではあるが、体系的に語れるほどの知識がないためスカスカな感じ。

 

マッチ3ゲームとは、そしてその進化の歴史

 マッチ3ゲームとは絵柄を3つ以上揃えて消していくパズルゲームの総称だ。

 消えた絵柄を補充する際、上から落ちるように絵柄が追加されるゲームが大半なので落ちゲーのカテゴリにも属しているが、テトリスぷよぷよに比べると「落ちる」ことがさほど重要なゲームではない。また基本的に消えたそばからランダムな絵柄が補充されていくというシステムと連鎖重視のゲーム性により、次にどの絵柄がくるかという予測が成り立たない、いわゆる運ゲーな作りになっている。そのため長孝型のパズルゲームにはあまり向いておらず、実際、瞬発力を重視したアクション性の高いパズルゲームへと進化していった。

 

 この進化の過程において、重要な役割を果たしたのがタッチパネルでありアクティブ連鎖である。

 タッチパネルの直感的な操作性は マッチ3ゲームとの相性がよく、スマートフォンの普及とともにその作品数を拡大していった。そして作品数の増加は多様性を産み、実に様々な実験的なマッチ3ゲームを輩出してゆく。

 

 アクティブ連鎖については、これを獲得したことによりマッチ3ゲームが真にアクションパズルになったとも言えるマイルストーン的存在だ。

 それまでのマッチ3ゲームでは、Bejeweled(Bejeweled3ではゲームモードによってはアクティブ連鎖がある)であれZOOKEEPERであれ連鎖中は操作を受け付けず、連鎖が終わるまでただ眺めているしかなかった。それはすなわちゲーム自体はリアルタイムで進行していくが、1手1ターンの原則に縛られていたということに他ならない。これを変えた最初の作品について詳しくはないが、連鎖中も絵柄の操作が可能で能動的に連鎖を持続させることのできるマッチ3ゲームが次第に増えてゆき、そういったシステムがアクティブ連鎖と呼ばれるようになった。

 アクティブ連鎖は電気の発明のようなもので、これを知ってしまったらそれ以前の生活には戻れないといった革新をもたらした(主に自分の中で)。これによりマッチ3ゲームはただひたすら絵柄を消していくことに没頭できる快楽装置となった。

 

マッチ3ゲームの歴史から見たキャンクラとパズドラ

 4月中旬以降からTVCMが開始された全世界でブーム中らしいCandy Crush Sagaは、紛れもないマッチ3ゲームではあるが、プレイしてみるとそれがいかに時代遅れなシステムかと思い知らされる。しかしそこを我慢して進めていくと、クリア条件やルールの追加、アイテムや4個消しでの爆弾生成等々これまでマッチ3ゲームが歩んできた歴史を辿っていくことになる。なかなかに面白い作りとなっているが、進めた部分ではアクティブ連鎖が追加されることはなかった。おそらくこの後も出てくることはないのだろう。というのもキャンクラがマッチ3ゲームを静的なパズルゲームとして捉えているように思えたからだ。

 はっきり言って、こんなもんに金をつぎ込み他のプレイヤーよりも先に進むことで優越感に浸るくらいなら、Around the World in 80 Days(iPhone版がおすすめというか、Big FishのPC版はなぜかアクティブ連鎖がなかった記憶がある)でオール3つ星獲得して自慢する方がいろいろと健全だと言える。

 

 パズドラについては製作者が「Dungeon Raidに触発された」と発言しているが、一筆書きでパネルを消していくDungeon Raidに対して、出来上がったものはパズルクエストを模したマッチ3ソーシャルネットゲームだった。

 余談となるが、キャンクラのKing社にキャンディの商標を奪われたと悲痛の叫びをあげたCandySwipeは、ゲーム的にはDungeon Raidに近い一筆書きのマッチ3ゲームであった(ややこしい)。さらに余談だが、個人的にDungeon Raidは大型アップデート前のシンプルなシステムだったころの方が好きだった。

 

 パズルクエストはごく初期において1手1ターンを推し進めた完全ターン性のマッチ3ゲームであった。またマッチ3ゲームを使って戦闘をするというアイディアの始祖でもある。ただ個人的にこの方向性は、マッチ3ゲームの魅力のコア部分を投げ捨てるような愚作だと思っている。

 パズル&ドラゴンズはこれにソシャゲ的なアレンジを施したゲームであり、マッチ3ゲームとして見た場合クソであることは明白なので、これが大ヒットした理由はそことは別の部分にあるのだろう。すなわちソシャゲが得意とするリソース管理こそがパズドラのコアな魅力なのだろう。

 

アクティブ連鎖以後のマッチ3ゲーム

 というわけで、以上が「何かマッチ3ゲームがしたいな」という気分のときにパズドラやキャンクラに手を出すことはお勧めしない理由である。

 では何がお勧めなんだ? と問われると、スマホタブレットでゲームをしなくなって久しい自分にその回答は難しい。

 とりあえずアクティブ連鎖以後のマッチ3ゲームの発展を書いてお茶をにごしておく。

 

 ZOOKEEPERにアクティブ連鎖は無いと書いたが、時代は流れiPhoneに移植されたZOOKEEPERにはアクティブ連鎖が追加された。しかしながら連鎖とみなされる合間の時間はかなりシビアに設定されている。ただ見つけた順にパパッと消していくだけでは単発扱いにしかならないことが多く、連鎖を狙おうとした場合、あらかじめいくつか消すポイントをピックアップしてから瞬時にかつ正確に消さなければならない。

 このシステムを新しい試みとみるか、ストレスしかたまらんクソ仕様とみるかは意見の別れるところだ。

 

 パズルクエストを発展させたものとして、まず挙げたいのがDevil Invasionだ。これはマッチ3ゲームとタワーディフェンスを組み合わせた画期的なゲームである。進行はあくまでリアルタイムを取り入れており、迫り来るモンスターを撃退していく緊張感に水を指すようなことはない。

 Puzzle Sagaはマッチ3RPGにおけるひとつの到達点だ。クソかったるいパズドラにはないスピーディなプレイが楽しめる。

 Puzzle Dungeonsはマッチ3+ローグライクといった雰囲気の佳作である。1手1ターンのマッチ3ゲームだがローグライクと考えると腑に落ちる。

 

 さて、ここからはさらなるマッチ3ゲームの発展形である。

 対戦☆ZOOKEEPERはZOOKEEPERとともにiPhoneアプリ化を期待された作品だ。これはマッチ3ゲームを用いたオンライン対戦ゲームである。とはいえそのシステムはスコアを競い合うというランキング部分を抜き出した、シングルゲームの延長上でしかない。

 パズルクエストが示したマッチ3ゲームを使っての戦闘をオンライン対戦で行ったのは、ウィッチウォーズが最初ではなかろうか(というか、他に知らない)。マッチ3ゲームの持つアクション性と対戦ゲームに必要な戦略性がしっかりと絡み合った対戦型マッチ3ゲームの決定版!

 と、なるはずであったが、オンゲの悪しき習慣まで取り入れてしまったため、超絶微妙ゲームとなっている。間違いなくあの時点での最先端のマッチ3ゲームではあったのだが…Com2uSに何を期待しているんだ、というのはごもっともだが…。

 

最後に愚痴

 マッチ3ゲームとは絵柄を揃えて消していく快楽を追求したゲームジャンルである。

 そんないちマッチ3好きとしては、パズドラやキャンクラのような退化したゲームが持て囃されている現状にはやっぱり憤りを感じてしまうのだ。